造作買取請求権(ぞうさくかいとりせいきゅうけん)とは?

造作買取請求権とは、借地借家法第33条に基づき、賃借人が賃貸人の同意を得て付加した造作について、契約終了時に時価での買取りを請求できる権利です。ただし、特約により排除可能です。

原状回復義務の例外として、造作の価値維持と社会経済上の利点を考慮した制度です。

基本情報

定義 借家契約終了時に造作の買取りを請求できる権利
法的根拠 借地借家法第33条
性質 任意規定(特約による排除可能)

対象となる造作

種類
  • 建具
  • 電気設備
  • 水道施設
要件
  • 賃貸人の同意あり
  • 賃借人による付加

行使の要件

時期
  • 期間満了時
  • 解約申入れによる終了時
条件
  • 造作付加への同意
  • 特約による排除なし

制度の意義

経済的意義
  • 造作価値の維持
  • 収去費用の節約
社会的意義
  • 利用価値の向上
  • 資源の有効活用

原状回復との関係

原則
  • 収去義務(民法第545条第1項)
  • 原状回復義務
例外
  • 造作買取請求権
  • 造作残置の合意

注意点

特約確認 買取請求権排除の特約有無を確認
同意確認 造作付加時の賃貸人同意の確認
時価算定 適正な買取価格の算定が必要

実務上の取扱い

契約時
  • 特約の検討
  • 造作の取扱い明確化
終了時
  • 権利行使の判断
  • 価格交渉

造作買取請求権は、賃借人の投資保護と造作の有効活用を図る制度です。一方で、実務上は原状回復を原則とし、特約により買取請求権を排除するケースが多くみられます。

権利行使には賃貸人の同意と特約の不存在が必要で、適正な時価での取引が求められます。契約時には特約の内容を明確にし、終了時には権利行使の是非を慎重に判断することが重要です。

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