在来工法(ざいらいこうほう)とは?

在来工法は、日本の木造建築において広く用いられている建築方法です。伝統工法を基礎としながら、第二次世界大戦後の技術革新により発展した工法で、現代の木造住宅建築の主流となっています。

在来工法の基本情報

定義 伝統工法を母胎とし、戦後の技術革新で生まれた木造建築物の工法
別称
  • 木造軸組工法
  • 在来軸組工法
  • 在来木造
  • 木造軸組
特徴 構造的に強い木造建築を可能にした工法

在来工法の主な特徴

基礎 鉄筋コンクリート製の布基礎(連続フーチング基礎)を採用
土台と基礎の接合 アンカーボルトで緊結
軸組の安定化 筋かいを入れ、プレート等で止めつける
壁の強度 構造用合板等を採用して壁に強度を付与
接合部の補強 材の接合部(仕口)に多様な金物を使用

在来工法のメリット

  • 構造的に強い木造建築が可能
  • 伝統的な木造建築の良さを活かしつつ、現代的な強度を実現
  • 建築基準法のルールに適合しやすい
  • 日本の気候風土に適した工法

在来工法と他の工法の比較

在来工法
  • 現場での施工が中心
  • 設計の自由度が高い
  • 職人の技術に依存する部分がある
2×4工法
  • 規格化された部材を使用
  • 工期が比較的短い
  • 断熱性能に優れる
プレハブ工法
  • 工場で部材を製作
  • 現場での工期が短い
  • 設計の自由度が制限される場合がある

在来工法の構造的特徴

軸組構造 柱や梁などの軸組が建物の骨組みとなる
耐震性 筋かいや構造用合板により、地震に対する強度を確保
可変性 間取りの変更や増改築が比較的容易
耐久性 適切な維持管理により、長期使用が可能

在来工法に関する注意点

施工品質の確保 職人の技術力によって品質が左右されるため、信頼できる施工業者の選択が重要です。
木材の品質管理 使用する木材の品質や乾燥状態に注意が必要です。
防蟻・防腐対策 木材を使用するため、適切な防蟻・防腐処理が重要です。
断熱性能 他の工法に比べて断熱性能が劣る場合があるため、適切な断熱材の使用が必要です。

在来工法は、日本の木造建築の中心的な工法として広く普及しています。伝統的な木造建築の良さを活かしつつ、現代の技術を取り入れることで、構造的に強く、日本の気候風土に適した建築を可能にしています。

建築基準法のルールも在来工法を前提としているため、法令適合性も高い工法と言えます。ただし、施工品質の確保や木材の管理、防蟻・防腐対策、断熱性能の向上など、いくつかの注意点もあります。在来工法で家を建てる際は、これらの特徴や注意点を十分に理解し、信頼できる設計者や施工業者と相談しながら進めることが重要です。

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