用途地域(ようとちいき)とは?

用途地域は、都市計画法に基づいて定められた、土地利用と建築物の規制・誘導を行うための重要な制度です。この制度の主な目的は、都市の秩序ある発展を促し、住環境の保護や業務の利便性向上を図ることにあります。

用途地域は大きく3つのカテゴリーに分類され、さらに13の具体的な地域に細分化されています。

住居系用途地域(8種類)
  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 田園住居地域
商業系用途地域(2種類)
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
工業系用途地域(3種類)
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

各用途地域には、建築可能な建物の種類、容積率、建ぺい率などの建築規制が定められています。これにより、それぞれの地域の特性に応じた土地利用が促進されます。

用途地域の指定状況は、市区町村が作成する都市計画図で確認できます。各地域は異なる色で表示され、一般市民でも容易に確認できるようになっています。

用途地域の指定にあたっては、単に局地的な土地利用の調整だけでなく、都市全体の機能配置や密度構成も考慮されます。国土交通省の都市計画運用指針によると、用途地域は都市計画区域マスタープランや市町村マスタープランに示される将来像に沿って指定されるべきとされています。

用途地域制度の主な効果と意義

適切な土地利用の誘導 住宅、商業、工業などの機能が適切に配置され、都市の効率的な発展を促します。
住環境の保護 住居専用地域などを設けることで、良好な住環境を守ります。
業務の利便性向上 商業地域や工業地域を適切に配置することで、事業活動の効率化を図ります。
都市の秩序ある発展 無秩序な開発を防ぎ、計画的な都市の成長を促進します。
地価の安定化 土地利用の予測可能性を高めることで、急激な地価の変動を抑制します。

用途地域は都市計画の基本的な要素であり、その指定や変更は都市の将来に大きな影響を与えます。そのため、不動産取引や建築計画を行う際には、該当地域の用途地域を確認し、その規制内容を十分に理解することが重要です。

また、地域住民も自分の住む地域の用途地域を知ることで、将来的な街の姿を予測し、より良いまちづくりに参加することができます。

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