UPREIT(あっぷりーと)とは?

UPREITは、不動産投資信託(REIT)の一形態で、土地所有者とREITが独特のパートナーシップを形成する仕組みです。この手法は、特に含み益のある不動産を効率的に運用する際に有効で、アメリカで広く活用されています。

UPREITの基本情報

正式名称 Umbrella Partnership REIT
主な目的 不動産の効率的な運用と課税の繰り延べ
発祥地 アメリカ

UPREITの仕組み

1. 現物出資 土地所有者が保有する不動産をREITに現物出資します。
2. パートナーシップ形成 土地所有者とREITがパートナーシップを組みます。
3. 運用 出資された不動産をREITとして運用します。
4. 投資口への転換 土地所有者は、後日、出資分をREITの投資口に転換できます。

UPREITのメリット

  • 含み益に対する課税を繰り延べることができます。
  • 不動産の流動性を高めることができます。
  • REITの規模拡大を促進します。
  • 土地所有者は、不動産の価値を維持しながら、多様な投資機会を得られます。

UPREITの税務上の特徴

課税タイミング REITの投資口に転換した時点で譲渡益課税が行われます。
課税繰り延べ 土地の含み益を顕在化させずに課税を繰り延べることができます。
簿価と時価の差 出資した土地の簿価が時価よりも低い場合でも、即時の課税は避けられます。

UPREITと通常のREITの比較

UPREIT
  • 土地所有者とREITがパートナーシップを形成
  • 課税繰り延べの利点あり
  • 不動産の現物出資が可能
通常のREIT
  • 投資家から資金を集めて不動産に投資
  • 不動産売却時に即時課税
  • 主に現金による投資

UPREITの活用例

事業承継 家族経営の不動産会社が、事業を継続しながら資産の一部をREIT化する場合
ポートフォリオ多様化 大規模な不動産所有者が、リスク分散のために一部の資産をREITに組み入れる場合
流動性確保 不動産の価値を維持しながら、必要に応じて投資口を売却して現金化できる

UPREITに関する注意点

複雑な構造 パートナーシップの形成や税務処理が複雑になる可能性があります。
規制リスク 税法や不動産法の変更により、UPREITの利点が変わる可能性があります。
評価の難しさ 現物出資される不動産の適正な評価が重要となります。
利害関係の調整 土地所有者とREITの他の投資家との間で利害の調整が必要になる場合があります。

UPREITは、不動産所有者にとって魅力的な選択肢となる可能性がある一方で、その構造の複雑さや法的な考慮事項から、専門家のアドバイスを受けながら慎重に検討する必要があります。

日本では現在、UPREITの仕組みは一般的ではありませんが、不動産市場の国際化や投資手法の多様化に伴い、今後注目される可能性があります。不動産投資や相続対策を検討する際には、UPREITのような新しい手法についても情報を収集し、自身の状況に最適な選択肢を探ることが重要です。

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