内法(うちのり)とは?
内法(うちのり)とは、建物の床面積を測定する際に用いられる重要な概念です。この用語は、主に不動産取引や登記の場面で頻繁に登場し、建物の実質的な使用可能面積を示す指標として広く認識されています。
内法の考え方では、壁の厚みを考慮せず、壁の内側の部分の面積だけを「床面積」として計算します。つまり、実際に生活や業務で使用できるスペースのみを対象としているのです。
この方法は、特に分譲マンションなどの区分所有建物の登記において採用されており、不動産登記法に基づいて正式に定められています(不動産登記規則第115条)。
内法の概念をより深く理解するには、その対比概念である「壁心(かべしん・へきしん)」について知ることも重要です。壁心とは、建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方です。
建築基準法では、建築確認申請の際にこの壁心の方法で床面積を測定することが求められています(建築基準法施行令第2条第1項第3号)。
このように、同じ建物でも用途によって床面積の計算方法が異なることは注目に値します。例えば、分譲マンションなどの区分所有建物では、以下のような流れで床面積が計算されます。
- 建築確認申請時:壁心の方法で床面積を計算
- 登記時:内法の方法で床面積を計算
この違いは、建物の用途や法的手続きの段階によって、最適な面積計算方法が異なるためです。内法による計算は、実際の使用可能面積を正確に反映するため、所有者や入居者にとってより実用的な情報となります。
内法の概念を理解することは、不動産取引や物件選びの際に非常に重要です。広告や契約書に記載される床面積が内法で計算されているのか、壁心で計算されているのかを確認することで、物件の実際の広さをより正確に把握することができます。
また、リフォームや内装工事を行う際にも、内法の寸法を知ることで、効率的な空間設計が可能になります。
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