追完請求(ついかんせいきゅう)とは?

追完請求とは、売買契約において引き渡された目的物が契約内容に適合しない場合に、買主が売主に対して補修や代替品の引き渡しなどを求める権利です。2020年4月の改正民法で明確化された制度です。

追完請求の基本情報

定義 契約不適合の目的物に対する是正請求権
法的根拠 改正民法(2020年4月1日施行)
行使期限 不適合を知った時から1年以内に通知が必要

請求可能な場合

種類の不適合 契約で定めた種類と異なる場合
品質の不適合 契約で定めた品質を満たさない場合
数量の不適合 契約で定めた数量に満たない場合

追完の方法

修補 目的物の補修による是正
代替物の引渡し 新しい適合物との交換
不足分の引渡し 数量不足分の追加提供

売主の対応権限

代替的履行 買主に不相当な負担を課さない範囲で異なる方法での追完が可能
履行拒絶 追完に過分な費用を要する場合は拒絶可能

手続きの流れ

不適合の発見 契約不適合を認識
通知 1年以内に売主へ通知
請求 具体的な追完方法を指定して請求
履行 売主による追完の実施

注意点

通知期限 1年の期限を経過すると請求権を失う可能性があります
立証責任 契約不適合の存在は買主が立証する必要があります
費用負担 追完に要する費用は原則として売主負担です

関連する権利

  • 損害賠償請求権
  • 代金減額請求権
  • 契約解除権

追完請求は、契約不適合がある場合の買主保護のための重要な権利です。ただし、行使には期限があり、適切な通知が必要です。

売主には代替的な履行方法の選択権があり、買主の請求と異なる方法で追完を行うことも可能ですが、それは買主に不相当な負担を課さない範囲に限られます。取引の際は、これらの権利関係を理解し、適切な対応を取ることが重要です。

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