S造(えすぞう)とは?

S造(えすぞう)は、建築構造の一種を表す用語で、広く不動産業界で使用されています。この「S」は英語の「Steel(スチール)」の頭文字を表しており、日本語では「鉄骨構造」または単に「鉄骨造」とも呼ばれます。

S造の建物は、主に柱と梁を鉄骨で作り上げた構造を特徴としています。この鉄骨フレームが建物の骨格となり、その上に壁や床を設置していきます。壁や床には、建物の用途や設計に応じて、以下のようなさまざまな材料が使用されます。

  • 木質系パネル
  • 軽量気泡コンクリートパネル
  • 窯業系パネル
  • その他の建材

S造は、主要な構造を形成する鉄骨の種類によって、さらに2つのカテゴリーに分類することができます。

軽量鉄骨構造 比較的小規模な建物や住宅に用いられる
重量鉄骨構造 大規模な建物や高層ビルに用いられる

S造の特徴と利点には以下のようなものがあります。

強度と耐久性 鉄骨は非常に強く、地震や台風などの自然災害に強い構造を実現できます。
空間の自由度 鉄骨の強度を活かし、大スパン(柱と柱の間隔が広い)の空間を作ることができます。これにより、広々とした内部空間の設計が可能になります。
工期の短縮 工場で鉄骨部材を製作し、現場で組み立てるため、従来の 鉄筋コンクリート造(RC造)に比べて工期を短縮できます。
リサイクル性 鉄骨は解体後にリサイクルが可能で、環境に配慮した建築方法と言えます。
軽量性 同じ強度のRC造と比較して、建物全体の重量を軽くすることができます。これにより、基礎工事の負担を軽減できる場合があります。

一方で、S造にはいくつかの課題もあります。

防火対策 鉄は高温で強度が低下するため、火災に対する対策が必要です。通常は、鉄骨に耐火被覆を施します。
断熱性 鉄は熱を伝えやすいため、適切な断熱材の使用が重要です。
防錆対策 鉄は錆びやすいため、適切な防錆処理が必要です。
コスト RC造に比べて材料費が高くなる傾向があります。

S造は、オフィスビル、商業施設、工場、倉庫などの大規模建築物から、戸建住宅まで幅広く採用されています。特に、大空間を必要とする建物や、短工期での建設が求められるプロジェクトでよく使用されます。

不動産を購入する際や賃貸物件を探す際に、S造の特徴を理解しておくことは重要です。建物の構造は、その耐久性や使い勝手、メンテナンス費用などに大きく影響するため、自身のニーズに合った構造を選ぶことが大切です。

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