双務契約(そうむけいやく)とは?

双務契約とは、契約の当事者双方が対価関係のある債務を負う契約形態です。売買契約や賃貸借契約など、一般的な取引の多くがこれに該当します。片務契約との対比で重要な法的概念です。

同時履行の抗弁権や危険負担など、特有の法的効果を持つ契約類型です。

双務契約の基本情報

定義 当事者双方が対価的な債務を負う契約
典型例 売買契約、賃貸借契約、請負契約
特徴 債務の相互対価性が存在

主な種類

売買契約
  • 代金支払義務
  • 目的物引渡義務
賃貸借契約
  • 賃料支払義務
  • 使用収益させる義務
請負契約
  • 報酬支払義務
  • 仕事完成義務

法的効果

同時履行の抗弁権
  • 相手の履行までの履行拒絶権
  • 双方の公平確保
危険負担
  • 債務消滅時の処理
  • 対価関係の調整

片務契約との違い

双務契約
  • 双方に債務あり
  • 対価関係あり
片務契約
  • 一方のみに債務
  • 贈与など

実務上の注意点

債務の履行 双方の債務の履行順序に注意が必要です
契約書作成 双方の義務を明確に記載する必要があります
リスク管理 債務不履行時の対応を検討する必要があります

契約書の重要事項

債務内容
  • 双方の義務の明確化
  • 履行時期の特定
履行条件
  • 履行の順序
  • 支払条件

同時履行の例外

信用取引 先履行義務の合意がある場合
商慣習 取引慣行による履行順序の確立

双務契約は、当事者双方が対価的な債務を負う契約形態であり、現代の取引社会における最も一般的な契約類型です。同時履行の抗弁権や危険負担などの特有の法的効果により、当事者間の公平が図られています。

実務上は、契約書作成時に双方の債務内容を明確にし、履行の順序や条件を具体的に定めることが重要です。また、債務不履行時のリスク管理や対応策についても、事前に検討しておく必要があります。

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