損害賠償(そんがいばいしょう)とは?

損害賠償とは、違法行為によって生じた損害を填補する制度です。債務不履行や不法行為など違法な事実と損害との間に因果関係がある場合に発生し、財産的・精神的損害を含む広範な損害が対象となります。

予見可能性の範囲内での通常損害が対象となり、原則として金銭による賠償がなされます。

損害賠償の基本情報

定義 違法行為による損害の金銭的填補
要件 違法行為と損害の因果関係
形態 原則として金銭賠償

損害の種類

財産的損害
  • 積極的損害(実損害)
  • 消極的損害(逸失利益)
精神的損害
  • 慰謝料
  • 精神的苦痛

賠償範囲

通常損害
  • 通常生ずべき損害
  • 予見可能な範囲
特別損害
  • 特別な事情による損害
  • 予見可能性必要

減額要因

過失相殺
  • 被害者の過失考慮
  • 賠償額の減額
損益相殺
  • 同時発生の利益
  • 賠償額からの控除

因果関係

相当因果関係
  • 合理的な範囲の因果関係
  • 無限連鎖の制限
予見可能性
  • 当事者の予見可能性
  • 賠償範囲の限定

注意点

立証責任 損害と因果関係の立証が必要です
賠償範囲 相当因果関係の範囲内に限定されます
時効 請求権の消滅時効に注意が必要です

損失補償との違い

損害賠償
  • 違法行為による損害
  • 違法性が前提
損失補償
  • 適法行為による損失
  • 公権力の行使

損害賠償は、違法行為によって生じた損害を填補する重要な法的制度です。賠償の範囲は相当因果関係の範囲内に限定され、被害者の過失や同時発生の利益によって減額される場合があります。

実務上は、損害と因果関係の立証が重要であり、適切な証拠の収集と保全が必要です。また、時効の管理も重要で、請求権の消滅を防ぐため、適切な時期に法的手続きを取ることが求められます。なお、公権力の適法な行使による損失の場合は、損失補償として区別されます。

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