制震構造(せいしんこうぞう)とは?

制震構造とは、地震による建物被害を防止・軽減するための建物構造の一つです。建物に特殊な装置を設置することで、地震の揺れを吸収または制御し、建物の安全性を高めます。主に超高層建築物で採用されている技術です。

建物の耐震性能を高める方法の一つとして、近年注目を集めている構造方式です。

制震構造の基本情報

定義 地震による振動を制御・吸収する特殊な装置を用いた建物構造
主な用途 超高層ビル、大規模建築物
目的 地震による建物被害の防止・軽減

制震装置の種類と特徴

慣性力制震装置
  • 振り子の原理を利用
  • 建物の揺れと逆方向に力を発生
油圧制震装置
  • 油圧の抵抗力で振動を吸収
  • 地震エネルギーを熱に変換
粘弾性ダンパー
  • 特殊な粘性材料で振動を吸収
  • 建物の変形を抑制

制震構造のメリット

安全性
  • 地震時の揺れを大幅に低減
  • 建物の損傷を防止
居住性
  • 揺れによる不快感を軽減
  • 家具の転倒を防止

耐震構造との比較

制震構造
  • 特殊な装置で揺れを吸収
  • 建物の変形を抑制
  • 設備投資が比較的高額
耐震構造
  • 建物自体の強度で対応
  • 変形を許容する設計
  • 一般的な工法

制震構造と免震構造の違い

制震構造
  • 建物内部に制震装置を設置
  • 揺れを吸収・制御
免震構造
  • 建物と地盤の間に免震装置を設置
  • 地震の揺れを建物に伝えにくくする

注意点

コスト 通常の耐震構造に比べて建設費用が高くなります。
メンテナンス 定期的な点検・管理が必要です。
設計の重要性 建物の特性に合わせた適切な制震装置の選定が重要です。

制震構造は、建物の用途や規模、地域の地震特性などを考慮して採用を検討する必要があります。特に超高層ビルなど、高い耐震性能が求められる建物での採用が増えています。

設計に当たっては、建物の特性に合わせた適切な制震装置の選定が重要で、専門家との十分な協議が必要です。また、導入後は定期的な点検・メンテナンスを行うことで、その性能を維持することが大切です。

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