履行の着手(りこうのちゃくしゅ)とは?

履行の着手(りこうのちゃくしゅ)とは、契約上の義務を実行に移すための具体的な行為の開始を指します。契約内容の実現に向けた客観的に認識できる行為が必要とされます。

履行の着手の基本要件

定義 契約履行の具体的な行為の開始
要件 客観的に認識できる形での履行行為

売主側の履行の着手例

建築関連
  • 建築材料の発注
  • 建築工事の着工
所有権移転関連
  • 物件の引渡し
  • 所有権移転登記の実行

買主側の履行の着手例

該当する例 中間金の支払い
該当しない例 住宅ローンの申込み

注意点

客観性 第三者から認識可能な行為であること
具体性 契約履行に直接関係する行為であること
実質性 単なる準備行為ではない実質的な行為であること

履行の着手は、契約の実行段階における重要な法的概念です。特に不動産取引において、売主・買主双方の権利義務関係に影響を与える重要な要素となります。

ただし、すべての準備的行為が履行の着手に該当するわけではなく、例えば住宅ローンの申込みのような準備的行為は履行の着手とは認められません。履行の着手と認められるためには、契約の本質的な部分に関わる具体的かつ客観的な行為であることが必要です。

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