オリジネーター(おりじねーたー)とは?

オリジネーターは、不動産証券化において重要な役割を果たす主体です。証券化の対象となる不動産、不動産信託受益権、不動産担保債権などを、証券の発行を行う特別目的会社(SPC)等に譲渡する者を指します。原資産保有者や資産譲渡人とも呼ばれ、証券化のプロセスを開始する重要な役割を担っています。

オリジネーターの基本情報

定義 証券化対象資産をSPC等に譲渡する者
別称 原資産保有者、資産譲渡人
主な役割 証券化プロセスの開始、資産の譲渡

オリジネーターが譲渡する主な資産

  • 不動産(オフィスビル、商業施設、住宅など)
  • 不動産信託受益権
  • 不動産担保債権
  • 賃料債権

オリジネーターの主な役割と特徴

証券化の開始 資産を譲渡することで証券化プロセスをスタートさせる
資金調達 資産を譲渡することで資金を調達できる
証券化推進者との関係 オリジネーターが証券化推進者と同一の場合もある
セール&リースバック 譲渡した不動産を改めて賃借することもある

オリジネーターのメリット

オフバランス化 資産を譲渡することでバランスシートから除外できる
資金調達の多様化 従来の借入以外の資金調達手段を得られる
資金調達コストの低減 信用力の高い証券発行により有利な条件で資金調達が可能
資産の流動化 不動産等の非流動資産を現金化できる

オリジネーターの種類

事業会社 保有不動産の有効活用や資金調達を目的とする
金融機関 不良債権処理や資産の圧縮を目的とする
不動産会社 開発資金の調達や保有資産の流動化を目的とする
投資家 投資回収や新規投資のための資金調達を目的とする

証券化プロセスにおけるオリジネーターの位置づけ

1. 資産の選定 証券化に適した資産を選定する
2. SPCへの資産譲渡 選定した資産をSPCに譲渡する
3. 資金の受け取り SPCから資産譲渡の対価を受け取る
4. サービサーとしての役割 場合によっては、譲渡後も資産の管理を行う

オリジネーターに関する注意点

真正売買の確保 破産隔離の観点から、資産譲渡が真正な売買と認められる必要がある
利益相反の管理 オリジネーターとSPCの間の利益相反に注意が必要
情報開示 証券化商品の投資家に対して適切な情報開示が求められる
リスク移転の確認 資産に関するリスクが適切にSPCに移転されているか確認が必要

オリジネーターは不動産証券化において重要な役割を果たし、資産の流動化や資金調達の多様化を実現するキープレイヤーです。しかし、証券化のプロセスにおいては、真正売買の確保や利益相反の管理など、注意すべき点も多くあります。

証券化を検討する際は、オリジネーターの役割と責任を十分に理解し、法律や会計の専門家とも相談しながら、適切なストラクチャリングを行うことが重要です。また、投資家の立場からは、オリジネーターの信用力や資産の質などを慎重に評価することが、投資判断の重要な要素となります。

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