オープンスペース(おーぷんすぺーす)とは?

オープンスペースとは、主に大規模なビルやマンションに設けられる空地(建築物が建てられていない部分)であり、歩行者用通路や植栽などを整備した空間を指します。広義では、都市における公園・緑地・街路・河川敷・民有地の空地部分など、建築物に覆われていない空間全般を指す場合もあります。都市環境の改善や生活の質の向上に寄与する重要な都市計画要素として認識されています。

オープンスペースの基本情報

定義 建築物に覆われていない空間で、一般に開放された場所
主な目的
  • 都市環境の改善
  • 歩行者の快適性向上
  • 景観の向上
  • ヒートアイランド現象の緩和
代表的な形態 広場、歩行者用通路、植栽スペース、公開空地など

オープンスペース推進の背景

特定街区制度 1961年創設。大規模建築物の建設時に広い空地確保を推奨
総合設計制度 1971年創設。現在も広く活用され、「公開空地」の設置を推進
環境対策 ヒートアイランド現象緩和のための緑化推進
景観形成 地方自治体の条例による良好なまち並み形成の推進
資産価値向上 ビルやマンションの市場価値向上を目的とした空間整備

オープンスペースの種類

  • 公開空地:総合設計制度により設けられた一般公衆が自由に出入りできる空地
  • 広場:建物の前面や周囲に設けられた開放的な空間
  • 歩行者用通路:建物間や敷地内を通る歩行者専用の通路
  • 緑地:樹木や植栽を中心とした自然空間
  • 水辺空間:噴水や小川などを取り入れた潤いのある空間

オープンスペースの主な機能と効果

環境改善 緑化によるヒートアイランド現象の緩和、大気浄化
防災 災害時の避難場所や消防活動スペースとしての機能
コミュニティ形成 人々の交流を促進する場としての役割
景観向上 都市の美観や快適性の向上に寄与
生物多様性 都市部における生物の生息空間の創出

オープンスペース設計の重要ポイント

アクセシビリティ 誰もが利用しやすい開放的な設計
安全性 適切な照明や見通しの確保による防犯性の向上
快適性 適切な植栽や休憩スペースの配置
機能性 歩行者動線の確保や多目的利用の可能性
持続可能性 維持管理のしやすさや環境負荷の低減

オープンスペースの整備プロセス

  1. 計画立案(目的の明確化、規模・場所の検討)
  2. 関係法令の確認(都市計画法、建築基準法等)
  3. 設計(空間設計、植栽計画、設備計画)
  4. 施工(造成、植栽、設備設置)
  5. 維持管理体制の構築

オープンスペースの維持管理

清掃 定期的な清掃によるゴミの除去と美観の維持
植栽管理 剪定、施肥、病害虫対策など
設備点検 照明、ベンチ、遊具等の定期点検と補修
安全管理 定期的なパトロールによる安全確保

オープンスペースに関する注意点

プライバシー 周辺住民のプライバシーへの配慮が必要
騒音 利用者の活動による騒音への対策が必要
管理責任 所有者と利用者の責任範囲の明確化が重要
不適切利用 路上生活者の占拠や犯罪の温床とならないよう注意

オープンスペースは、都市の生活環境を改善し、人々の交流を促進する重要な都市計画要素です。特定街区制度や総合設計制度などの法的枠組みを通じて、その設置が推進されてきました。近年では、環境対策や景観形成、さらには不動産の資産価値向上の観点からも、オープンスペースの重要性が高まっています。

オープンスペースの設計・整備に当たっては、アクセシビリティや安全性、快適性などを考慮し、多様な利用者のニーズに対応することが重要です。また、継続的な維持管理を通じて、その機能と魅力を長期的に保つことが求められます。適切に計画・整備されたオープンスペースは、都市の魅力向上と持続可能な発展に大きく貢献します。

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