踊り場(おどりば)とは?

踊り場は、階段の途中に設けられた広い平坦部分のことを指します。安全性と利便性を高めるために重要な役割を果たす建築要素であり、建築基準法によって寸法などが規定されています。階段の昇降時の安全確保や小休止の機会提供、さらには階段の方向転換など、多様な機能を持っています。

踊り場の基本情報

定義 階段の途中に設けられた踏面の広い平坦部分
主な目的
  • 昇降時の安全確保
  • 小休止の機会提供
  • 階段の方向転換
設置場所 階段の途中、通常は一定の段数ごとに設置

踊り場の主な機能

安全性向上 連続した昇降による転倒リスクを軽減
休憩スペース 高齢者や子供、荷物を持った人の小休止に利用
方向転換 階段の向きを変える際のスペースとして機能
緊急時の待避所 火災時などの一時的な避難場所として利用可能

踊り場の種類

  • 中間踊り場:階段の途中に設けられる通常の踊り場
  • 折り返し踊り場:階段の方向を180度転換する際に設ける踊り場
  • 四半踊り場:階段の方向を90度転換する際に設ける踊り場
  • 着階踊り場:階段の終点に設けられる踊り場

踊り場の寸法規定(建築基準法に基づく)

階段の幅以上
奥行き 通常の階段:75cm以上
屋外階段:60cm以上
高低差 3m以内ごとに踊り場を設ける

踊り場の設計ポイント

適切な配置 利用者の負担を考慮し、適切な間隔で設置
十分な広さ 車椅子の回転や複数人の通行を考慮した広さを確保
滑り止め処理 安全性向上のため、適切な滑り止め加工を施す
照明 十分な明るさを確保し、安全な通行を可能に

踊り場の活用アイデア

  1. 観葉植物の設置による空間演出
  2. ミニギャラリーとしての活用(絵画や写真の展示)
  3. 小さな書棚やベンチの設置
  4. 窓を設けることによる採光・換気の改善
  5. 非常用品の収納スペースとしての利用

踊り場のメンテナンス

定期清掃 ほこりや汚れの除去を定期的に行う
床材の点検 摩耗や損傷がないか定期的に確認
手すりの点検 ぐらつきや腐食がないか確認し、必要に応じて補修
照明の管理 電球の交換や照明器具の清掃を適宜実施

踊り場に関する注意点

段差 階段と踊り場の間に不適切な段差があると転倒の危険性が高まる
物の放置 踊り場に物を置くと通行の妨げになり危険
照明不足 暗すぎると転倒や衝突のリスクが増加
床材の選択 滑りやすい材質は避け、適切な滑り止め対策が必要

踊り場は、階段の安全性と利便性を高める重要な建築要素です。適切に設計・配置された踊り場は、建物利用者の快適性を向上させるだけでなく、緊急時の安全確保にも貢献します。

設計の際は、建築基準法の規定を遵守しつつ、建物の用途や利用者の特性を考慮した適切な寸法と配置を選択することが重要です。また、単なる通過点としてだけでなく、空間を有効活用するアイデアを取り入れることで、建物全体の魅力を高めることも可能です。踊り場の設計や改修を検討する際は、安全性、機能性、そして空間の質的向上の観点から総合的に判断することをおすすめします。

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