無権代理の相手方の取消権(むけんだいりのあいてがたのとりけしけん)とは?

無権代理の相手方の取消権とは、無権代理による取引の相手方が、本人の追認を待たずに取引を取り消すことができる権利です。法律関係の不安定さを解消するための制度として設けられています。

取消権の基本情報

定義 善意の相手方が無権代理による取引を取り消すことができる権利
根拠法令 民法第115条
目的 取引の不安定な状態を解消すること

取消権行使の要件

相手方の要件 善意(無権代理であることを知らなかった)であること
行使時期 本人による追認前であること

取消権行使の効果

本人との関係 本人は追認することができなくなります
取引の効力 無効なものとして確定します
無権代理人との関係 無権代理人への責任追及はできなくなります

注意点

善意要件 無権代理であることを知っていた場合は行使できません
効果の確定 一度取り消すと取引は確定的に無効となります
責任追及 取消後は無権代理人への責任追及もできなくなります

無権代理の相手方の取消権は、善意の取引相手を保護し、不安定な法律関係を解消するための重要な制度です。特に不動産取引のような重要な取引では、この権利の行使を慎重に判断する必要があります。

ただし、取消権を行使すると取引は確定的に無効となり、無権代理人への責任追及もできなくなるため、状況に応じて催告権の行使と組み合わせて検討することが重要です。

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