区分所有建物(くぶんしょゆうたてもの)とは?

区分所有建物は、構造上区分され、独立して住居・店舗・事務所・倉庫などの用途に供することができる複数の部分から構成されている建物のことです。

一般的には分譲マンションが代表例ですが、条件を満たせばオフィスビルや商業施設、倉庫なども区分所有建物となる可能性があります。

区分所有建物の要件

区分所有建物となるためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

構造上の独立性 建物の各部分が他の部分と壁などで完全に遮断されていること。ふすまや障子、間仕切りなどによる遮断では不十分です。
利用上の独立性 建物の各部分が、他の部分から完全に独立して用途を果たせること。例えば、居住用建物であれば、各部分がそれぞれ一つの住居として使用可能であることを意味します。

これらの要件を満たす建物の各部分について、それぞれ別個の所有権が成立しているとき、その建物は「区分所有建物」と呼ばれます。

区分所有建物の構成要素

区分所有建物は、以下の要素から構成されています。

専有部分 建物の独立した各部分のことで、個々の区分所有者が所有します。
共用部分 廊下、エレベーター、階段など、区分所有者が共同で利用する建物の部分です。
敷地 建物の敷地も区分所有者の共有となります(借地権の場合は準共有)。

区分所有者の権利

区分所有建物において、区分所有者は以下の3種類の権利を持ちます。

  • 専有部分の所有権
  • 共用部分の共有持分
  • 敷地の共有持分(敷地利用権)

法的な取り扱い

区分所有建物については、民法の特別法である区分所有法が適用されます。この法律により、区分所有建物特有の権利関係や管理方法が定められています。

区分所有建物を購入する際の注意点

区分所有建物を購入する際は、以下の点に注意が必要です。

管理規約の確認 建物の利用や管理に関するルールを確認しましょう。
修繕積立金の状況 将来の大規模修繕に備えた資金の積立状況を確認しましょう。
共用部分の管理状態 エレベーターや外壁など、共用部分の管理状態を確認しましょう。

区分所有建物は、一つの建物を複数の所有者で共有する特殊な形態です。その複雑な権利関係や管理方法をよく理解した上で、購入を検討することが大切です。

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