瑕疵物件(かしぶっけん)とは?

瑕疵物件(かしぶっけん)とは、不動産取引において、当事者が予想していなかった物理的・法律的・心理的な欠陥(瑕疵)がある不動産を指します。これらの欠陥は、物件の価値や使用に重大な影響を与える可能性があるため、不動産取引における重要な問題となります。

瑕疵物件の基本情報

定義 取引当事者が予想していなかった欠陥がある不動産
瑕疵の種類 物理的、法律的、心理的欠陥
法的根拠 民法(契約不適合責任)、宅地建物取引業法

瑕疵の主な例

物理的瑕疵
  • 土壌汚染
  • 耐震強度の不足
  • 建物の構造上の欠陥
法律的瑕疵
  • 所有権の問題
  • 法令違反
  • 未登記の権利の存在
心理的瑕疵
  • 過去の事故や事件の発生
  • 自殺や他殺があった物件
  • 反社会的勢力の利用歴

契約不適合責任

  • 契約締結時に発見できなかった瑕疵が一定期間内に見つかった場合に適用
  • 買主は売主に対して責任を追及可能
  • 修補請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除などの対応が可能

心理的瑕疵に関するガイドライン

策定主体 国土交通省
名称 宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン
背景 「不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会」での議論を踏まえて策定
目的 心理的瑕疵の取り扱いに関する指針を提供

瑕疵物件取引における注意点

事前調査 専門家による建物診断や土壌調査の実施
情報開示 売主・宅建業者による瑕疵の適切な開示
契約書の明確化 瑕疵の存在や契約不適合責任の範囲を明記
心理的瑕疵の取り扱い ガイドラインに基づく適切な告知と対応

瑕疵物件は、その瑕疵の性質や程度によって、物件の価値や使用に重大な影響を与える可能性があります。特に、土壌汚染や耐震強度の不足などの物理的瑕疵は、安全性や健康に関わる重要な問題となります。

契約不適合責任の制度により、買主は一定期間内に発見された瑕疵について売主に対して責任を追及することができます。これは、取引の公平性を担保し、買主の権利を保護する重要な仕組みです。

心理的瑕疵については、その定義や取り扱いが難しい面がありますが、国土交通省のガイドラインが一定の指針を提供しています。特に「人の死の告知」に関しては、このガイドラインに基づいて適切に対応することが求められます。

瑕疵物件の取引に際しては、売主・買主双方が十分な調査と情報開示を行い、専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが重要です。また、契約書に瑕疵の存在や責任の範囲を明確に記載することで、将来的なトラブルを防ぐことができます。適切な対応と情報共有により、安全で公正な不動産取引の実現につながります。

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