仮登記担保(かりとうきたんぽ)とは?

仮登記担保とは、金銭債権の返済ができない場合に、債務者が債権者に物を売却する(または物をもって弁済に代える)ことを約束し、そのことを仮登記しておく担保方法です。この方法は、債権者の権利を保護しつつ、債務者にも一定の猶予を与える仕組みとして機能しています。

仮登記担保の基本情報

定義 金銭債権の担保として物の売却や代物弁済を約束し、仮登記する方法
目的 金銭債権の担保
法的根拠 仮登記担保法(1979年4月1日施行)

仮登記担保の具体例

登記の原因 代物弁済予約
登記の目的 所有権移転請求権仮登記
効果 金銭債権が弁済されない場合、債権者が物の所有権を取得

仮登記担保法の主な規定

  • 債権者の暴利行為の禁止
  • 金銭債務額を超える物の価額部分の返還義務
  • 債務者保護のための規定

仮登記担保法施行の背景

施行日 1979年(昭和54年)4月1日
主な目的 債権者の暴利行為の防止
重要規定 物の価額が債務額を超える場合の超過部分返還義務(第3条)

仮登記担保のメリット

債権者側
  • 債権の確実な担保
  • 簡便な権利実行手続き
債務者側
  • 物の利用継続が可能
  • 返済猶予の可能性

仮登記担保に関する注意点

価値評価 担保物件の適切な価値評価が重要
権利実行 法定の手続きを遵守する必要がある
超過価値 物の価値が債務額を超える場合、返還義務がある
法的制限 仮登記担保法による各種制限を理解する必要がある

仮登記担保は、金銭債権を担保する方法として利用されます。債務者が返済できない場合に、物を債権者に売却または代物弁済することを約束し、それを仮登記することで成立します。具体的には、「代物弁済予約」を原因とし、「所有権移転請求権仮登記」を目的とする仮登記を行います。

しかし、この方法には債権者の暴利行為を助長する恐れがありました。例えば、小額の債務に対して高額な不動産を担保にとるなどの問題が生じる可能性がありました。そこで、1979年4月1日に仮登記担保法が施行されました。

仮登記担保法の重要な規定として、金銭債務の額を物の価額が超える場合には、債権者はその超過部分を債務者に返還する必要があるとされました(第3条)。これにより、債権者の暴利行為が法律上禁止され、債務者の保護が図られることとなりました。

仮登記担保には、債権者側と債務者側双方にメリットがあります。債権者にとっては債権の確実な担保となり、債務者にとっては物の利用を継続できる可能性があります。しかし、担保物件の適切な価値評価や法定手続きの遵守など、注意すべき点も多くあります。

仮登記担保を利用する際は、仮登記担保法の規定を十分に理解し、適切な手続きを踏むことが重要です。特に、物の価値が債務額を超える場合の返還義務など、法的な制限を正確に把握しておく必要があります。複雑な法的概念を含むため、利用の際は法律の専門家に相談することをおすすめします。

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