買い戻し特約(かいもどしとくやく)とは?

買い戻し特約は、不動産の売買契約に付加される特別な条項です。この特約により、売主は一定期間内に、元の売買代金と契約費用を買主に返還することで、売買契約を解除し、不動産を取り戻す権利を留保することができます。この特約は、特定の状況下で不動産取引の柔軟性を高める重要な役割を果たします。

買い戻し特約の基本情報

定義 売主が一定期間内に代金を返還して不動産を取り戻せる権利を留保する特約
法的性質 売買契約の解除権の留保
対抗要件 所有権移転登記と同時に登記が必要

買い戻し特約の期間制限

最長期間 10年
期間の定めがない場合 5年

買い戻し特約の主な利用目的

  • 公共的な宅地分譲における建築義務や転売規制の担保
  • 債務弁済の担保(売渡担保)

買い戻し特約の手続き

契約時 売買契約締結時に特約を付加
登記 所有権移転登記と同時に買い戻し特約の登記を行う
権利行使 特約期間内に代金と費用を返還して不動産を取り戻す

買い戻し特約のメリット

売主側
  • 将来的に不動産を取り戻す権利を確保できる
  • 一時的な資金需要に対応できる
買主側
  • 売主の事情に配慮しつつ不動産を取得できる
  • 特定の条件(建築義務など)の履行を担保できる

買い戻し特約の注意点

登記の重要性 登記しないと第三者に対抗できません
期間制限 10年を超える期間の設定はできません
権利行使の条件 代金と契約費用の全額返還が必要です
税務上の取り扱い 権利行使時の税務処理に注意が必要です

買い戻し特約と売渡担保の関係

売渡担保 買い戻し特約を利用した債務弁済の担保方法
メカニズム 不動産を譲渡し、債務弁済時に買い戻す権利を留保する
利点 通常の抵当権設定より簡便に担保を設定できる場合がある

買い戻し特約は、不動産取引において売主に一定の権利を留保させる重要な手段です。公共的な宅地分譲における条件の担保や、債務弁済の担保として利用されることが多く、取引の柔軟性を高める役割を果たします。

ただし、この特約を有効に機能させるためには、適切な登記手続きが不可欠です。また、期間制限や権利行使の条件、税務上の取り扱いなど、注意すべき点も多くあります。そのため、買い戻し特約を利用する際は、不動産取引の専門家や弁護士などに相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。特に、売渡担保として利用する場合は、法的リスクや税務上の影響を十分に検討する必要があります。

不動産用語集に戻る

不動産用語をキーワードで検索

「あ行」の不動産用語一覧

「か行」の不動産用語一覧

「さ行」の不動産用語一覧

「た行」の不動産用語一覧

「わ行」の不動産用語一覧

ページトップへ