壁心(かべしん・へきしん)とは?

壁心は、建物の床面積を測定する際に用いられる概念で、壁の厚みの中心線を基準として面積を計算する方法を指します。

この方法は建築基準法に基づいており、正式な建物の床面積を算出する際に使用されます。

壁心の主な特徴

定義 壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を床面積とする考え方
表記 「壁芯」と表記されることもあります
法的根拠 建築基準法施行令第2条第1項第3号に規定されています

壁心計算の特徴

面積の増加 壁の厚みの半分が床面積に加算されるため、実際に使用可能な面積よりも大きくなります
公式な計算方法 建築確認申請や固定資産税の評価など、公的な場面で使用されます
一貫性 建物全体で統一された基準で面積を算出できます

壁心と内法(うちのり)の違い

床面積の測定方法として、壁心の他に以下の内法があります。

内法計算 壁の内側の寸法で計算する方法
面積の差 壁心計算の方が内法計算よりも大きな面積になります
用途の違い 内法は実際の使用可能面積を表すのに適しています

壁心計算の適用例

建築確認申請 法的な手続きにおいて使用されます
固定資産税評価 課税対象となる床面積の算出に使用されます
賃貸借契約 一部の賃貸物件で使用されることがあります

壁心計算に関する注意点

実際の使用面積との差 壁心計算による面積は実際の使用可能面積よりも大きくなります
表示の確認 不動産広告などで、壁心計算か内法計算かを確認することが重要です
建物の構造による影響 壁の厚さによって、内法との差が変わってきます
地域による慣習 地域によって使用される計算方法が異なる場合があります

壁心計算の利点と欠点

利点

法的な一貫性 公的な手続きで統一された基準を使用できます
建物全体の把握 外壁を含めた建物全体の規模を正確に表現できます

欠点

実用面積との乖離 実際に使用できる面積よりも大きく表示されます
消費者の誤解 面積の表示方法を理解していないと、誤解を招く可能性があります

壁心計算の活用

建築設計 法規制に適合した建物設計を行う際に使用します
不動産評価 公的な評価や課税のベースとなる面積を算出します
契約書作成 賃貸借契約などで使用される場合があります

壁心は、建築や不動産の分野で重要な概念です。特に法的な手続きや公的な評価において必須の計算方法ですが、実際の使用可能面積とは異なることを理解しておくことが重要です。

不動産取引や建築計画を行う際は、壁心と内法の違いを認識し、目的に応じて適切な面積表示を選択または確認することが大切です。

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