壁率比(かべりつひ)とは?

壁率比は、木造建築物の軸組における耐力壁の設置バランスを確認するための重要な数値です。建築構造の安全性を簡便に評価する方法(4分割法)を用いる際に算定が必要となります。この指標は、建物の耐震性能を判断する上で重要な役割を果たします。

壁率比の基本情報

定義 木造建築物の軸組における耐力壁の設置バランスを示す数値
用途 建築構造の安全性評価(4分割法使用時)
基準値 0.5以上であることが求められる

壁率比の算定手順

  1. 各階の4面の床面について必要壁量を算定
  2. 各面の壁量充足率(存在壁量 / 必要壁量)を求める
  3. 向かい合う壁面の壁量充足率の比率を算出

壁率比の計算方法

必要壁量の算定 建物の各階、壁面から1/4距離までの床面(4面)について計算
壁量充足率の計算 存在壁量 ÷ 必要壁量
壁率比の算出 向かい合う壁面の壁量充足率の小さい方 ÷ 大きい方

建築構造の安全性基準

壁量充足率 すべての面で1以上であること
壁率比 0.5以上であること

耐力壁の定義

機能 水平力および鉛直力に耐える壁構造
抵抗する力
  • 地震力
  • 風圧
  • 建物の自重
  • 積載荷重
  • 積雪荷重

壁率比に関する注意点

バランスの重要性 建物の耐震性能は壁の配置バランスに大きく影響される
方向性 張り間方向とけた行方向それぞれで算出が必要
専門知識の必要性 正確な算定には建築構造の専門知識が必要

壁率比は、木造建築物の構造安全性を評価する上で重要な指標です。この数値は、建物内の耐力壁の配置バランスを示しており、0.5以上であることが求められています。壁率比が0.5を下回ると、建物の耐震性能に問題がある可能性が高くなります。

壁率比の算定は、まず建物の各階について、壁面から4分の1の距離までの床面(4面ある)の必要壁量を計算することから始まります。次に、各面の実際の壁量(存在壁量)と必要壁量の比率(壁量充足率)を求めます。最後に、向かい合う壁面の壁量充足率の比率を計算し、これが壁率比となります。

建築構造の安全性を確保するためには、壁量充足率がすべての面で1以上であるか、または壁率比が0.5以上である必要があります。これらの基準を満たすことで、建物が地震や風圧などの外力に対して十分な耐力を持つことが期待できます。

耐力壁は、地震や風圧などによる水平力、および建物の自重や積載荷重、積雪荷重などの鉛直力に耐える重要な構造要素です。適切な耐力壁の配置は、建物全体の安全性を確保する上で非常に重要です。

壁率比の算定や評価には、建築構造に関する専門的な知識が必要です。そのため、住宅の購入や改築を検討する際は、建築士や構造設計の専門家に相談することをおすすめします。適切な耐力壁の配置と十分な壁率比を確保することで、安全で耐久性の高い木造建築物を実現することができます。

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