時効の更新(じこうのこうしん)とは?

時効の更新とは、進行中の時効期間をリセットし、新たに時効期間を進行させる法的効果を持つ制度です。

これは、時効制度の中で重要な役割を果たし、継続的な事実状態に基づく時効の成立を妨げる機能を持ちます。

時効の更新の基本概念

定義 一定の事実や行為によって、それまで進行してきた時効期間が効力を失い、新たに時効期間が始まること。
効果 それまでの時効期間は無効となり、更新事由の発生時点から新たに時効期間が進行し始めます。
目的 継続的な事実状態を妨げる事実や行為が発生した場合に、時効の進行を適切に調整すること。

時効の更新事由

時効を更新させる事実や行為は「時効の更新事由」と呼ばれ、主に以下のようなものがあります。

債務の承認 債務者が債務の存在を認めること。
裁判上の請求 訴訟の提起や支払命令の申立てなど。
強制執行 債権者が債務者の財産に対して強制執行を行うこと。
仮差押え・仮処分 債権者が債務者の財産に対して仮差押えや仮処分を行うこと。
催告 債権者が債務者に対して債務の履行を求める通知を行うこと(ただし、6ヶ月以内に裁判上の請求等が行われない場合は更新の効力を失います)。

時効の更新の効果

時効期間のリセット 更新事由が発生した時点で、それまでの時効期間は無効となります。
新たな時効期間の開始 更新事由の発生時点から、新たに時効期間が進行し始めます。
時効期間の長さ 更新後の時効期間は、原則として更新前と同じ長さになります。

時効の更新と時効の種類

取得時効 所有権などの物権を取得するための時効(例:短期取得時効10年、長期取得時効20年)
消滅時効 債権などの権利が消滅するための時効(例:一般の金銭債権の消滅時効10年)

時効の更新に関する注意点

更新事由の証明 時効の更新を主張する者が、更新事由の発生を証明する必要があります。
更新の相対効 更新の効果は、原則として当事者間でのみ生じます。
更新と時効の中断 法改正により、従来の「時効の中断」という概念が「時効の更新」と「時効の完成猶予」に整理されました。
更新事由の選択 状況に応じて適切な更新事由を選択することが重要です。

時効の更新は、時効制度の適切な運用を確保するための重要な仕組みです。特に債権管理や不動産取引において重要な意味を持つため、関係者はその仕組みと効果を十分に理解しておく必要があります。

具体的な事案では、個別の状況を慎重に検討し、必要に応じて法律の専門家に相談することをおすすめします。

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