一括受電(いっかつじゅでん)とは?

一括受電は、主にマンションなどの集合住宅で採用される電力供給方式です。この方式では、建物全体で一つの高圧電力契約を結び、各戸に電力を分配します。これにより、電気料金の削減や効率的な電力管理が可能になります。

一括受電の基本構造

契約形態 建物全体で一つの高圧電力契約を締結
電力供給 高圧で受電し、建物内で低圧に変換して各戸に配電
対象 マンションの専有部分と共用部分、または共用部分のみ

一括受電のメリット

電気料金の削減 高圧電力契約の方が単価が安いため、全体的なコスト削減が可能
設備の効率化 一括で受電することで、電力設備の効率的な運用が可能
管理の簡素化 建物全体で一つの契約となるため、電力管理が簡素化される

一括受電の主な形態

全戸一括方式 マンション全体(専有部分と共用部分)を一括で契約
共用部分のみ一括方式 共用部分のみを一括契約し、各戸は個別に電力会社と契約

一括受電サービスの提供者

  • 専門の一括受電サービス事業者
  • 大手電気事業者(東京電力グループなど)
  • マンションデベロッパー(分譲時に導入)

一括受電の導入条件

住民の同意 マンション住民の合意が必要
法的要件 電気主任技術者の選任など、電気事業法上の要件を満たす必要がある
設備投資 高圧受電設備の設置や改修が必要な場合がある

一括受電の課題と注意点

長期契約 一般的に契約期間が長期になるため、途中解約が難しい
電力会社選択の制限 各戸が自由に電力会社を選択できなくなる可能性がある
設備維持費用 高圧受電設備の維持管理費用が必要
電力トラブル時の対応 停電時などの対応が複雑化する可能性がある

一括受電導入の流れ

1. 検討・調査 マンションの電力使用状況や一括受電の適合性を調査
2. 住民合意 管理組合での議決や住民説明会を実施
3. 事業者選定 一括受電サービス提供事業者を選定
4. 契約締結 選定した事業者と契約を締結
5. 設備工事 必要に応じて高圧受電設備の設置や改修工事を実施
6. 切替・運用開始 一括受電方式への切替と運用開始

一括受電は、マンションの電気料金削減や管理の効率化に有効な方式ですが、導入にあたっては住民の合意形成や法的要件の遵守、長期的な影響の検討が重要です。また、エネルギー市場の変化や技術革新に応じて、定期的に契約内容や運用方法を見直すことが望ましいでしょう。

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