一団地の総合的設計(いちだんちのそうごうてきせっけい)とは?

一団地の総合的設計は、複数の敷地を一体として扱い、より柔軟な建築計画を可能にする制度です。この制度により、都市空間の効率的な利用と魅力的な開発が促進されます。

一団地の総合的設計の基本情報

定義 2以上の敷地等で形成される一団の土地の区域に、1または2以上の建築物を総合的に設計し建築する制度
主な特徴 一団の土地の区域を建築物の一つの敷地とみなして建築規制を適用
認定主体 特定行政庁

適用される主な建築規制

  • 接道義務
  • 容積率制限
  • 斜線制限
  • 日影規制

制度適用の条件

主な条件 建築物の位置および構造の設計が、安全上、防火上および衛生上支障がないと認定されること
認定主体 特定行政庁
設計要件 総合的な設計であること

一団地の総合的設計のメリット

容積率の移転 隣接する敷地等の間で容積率を移転することが可能
柔軟な土地利用 複数の敷地を一体として扱うことで、より自由度の高い設計が可能
効率的な空間利用 敷地全体で建築規制を満たすことで、個々の敷地では困難な開発が可能に
魅力的な都市空間の創出 総合的な設計により、調和のとれた都市景観の形成が可能

制度活用の具体例

ケース1 複数の小規模敷地を統合し、大規模な複合施設を建設
ケース2 敷地内に公開空地を設けつつ、高層ビルを建設
ケース3 容積率の低い敷地から高い敷地へ容積を移転し、効率的な開発を実現

一団地の総合的設計の申請プロセス

  1. 事前相談:特定行政庁に相談し、制度適用の可能性を確認
  2. 計画立案:一団地としての総合的な建築計画を策定
  3. 申請書類作成:必要な図面や書類を準備
  4. 申請提出:特定行政庁に申請書類を提出
  5. 審査:特定行政庁による安全性、防火性、衛生面の審査
  6. 認定:基準を満たしていれば認定が下りる
  7. 建築確認申請:認定を前提とした建築確認申請を行う

制度活用時の注意点

総合的設計の必要性 単なる敷地の統合ではなく、総合的な設計が求められる
周辺環境への配慮 大規模開発となる可能性があるため、周辺環境への影響を十分に考慮する必要がある
将来的な変更の制限 認定後の建築計画の変更には制限がかかる場合がある
権利関係の整理 複数の敷地を一体として扱うため、所有者間の権利関係を明確に整理する必要がある

一団地の総合的設計制度は、都市の効率的な土地利用と魅力的な空間創出を可能にする重要なツールです。この制度を活用することで、個々の敷地では実現困難な大規模開発や革新的な建築計画が可能となります。ただし、総合的な設計や周辺環境への配慮が求められるため、専門家や行政との緊密な連携が不可欠です。不動産開発者や都市計画の専門家は、この制度の特性を十分に理解し、適切に活用することで、より魅力的で持続可能な都市空間の創出に貢献することができます。

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