必要有効換気量(ひつようゆうこうかんきりょう)とは?

必要有効換気量とは、建築基準法で定められた居室の適切な空気環境を維持するために必要な換気量のことです。自然換気が十分に確保できない場合、機械換気設備によってこの基準を満たす必要があります。

法的根拠

建築基準法 第28条第2項(換気に関する基本規定)
施行令 第20条の2(換気設備の技術的基準)
規制対象 建築物の居室

換気方法の基準

自然換気 床面積の1/20以上の有効開口部が必要
機械換気 一人当たり時間20㎥以上の換気量が必要
換気計算 居室面積と使用人数から必要量を算出

換気設備の要件

基本性能 一人当たり毎時20立方メートル以上の換気能力
運転方式 居室使用中の常時運転が可能
設置位置 居室全体の空気を有効に換気できる配置

必要換気量の算定

算定式 必要換気量 = 居室定員 × 20㎥/時
居室定員 用途別の一人当たり占有面積から算出
補正要素 室用途や在室時間による補正を考慮

用途別の必要換気量例

事務所 一人当たり占有面積5㎡として計算
店舗 一人当たり占有面積2.5㎡として計算
学校 一人当たり占有面積4㎡として計算

注意点

設計時
  • 用途に応じた適切な換気量設定
  • 効率的な換気経路の確保
  • 騒音対策の考慮
維持管理
  • 定期的なフィルター清掃
  • 換気量の測定確認
  • 機器の点検整備
運用面
  • 在室人数の変動への対応
  • 季節による換気量調整
  • エネルギー効率の考慮

必要有効換気量の確保は、居室の空気環境を適切に保つための重要な要素です。特に近年は、建物の気密性向上に伴い、計画的な換気の重要性が高まっています。

設計時には、居室の用途や使用人数を適切に想定し、必要な換気設備の容量を算定する必要があります。また、省エネルギーの観点から、熱交換換気や需要に応じた換気量制御なども考慮することが望ましいとされています。運用段階では、定期的な設備の点検やメンテナンスを行い、常に適切な換気量が確保されているか確認することが重要です。

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