庇(ひさし)とは?

庇は、建物の開口部上部に設置される突き出した屋根や、建物本体から張り出した空間を指します。日差しや雨を遮る機能的な役割と、建物の意匠性を高める装飾的な役割を兼ね備えた建築要素です。

庇の基本情報

定義 建物開口部上部の片屋根、または母屋外側の張り出し空間
主な機能 日差しや雨からの保護、空間の拡張
設置場所 窓、出入口、テラスなどの上部

庇の種類

開口部上の庇 窓や玄関などの上部に取り付ける突出屋根
縁側の庇 和風建築における縁側部分を覆う屋根
軒庇 建物全体を囲むように設置された庇

庇の機能

日射遮蔽 強い日差しを遮り、室内温度上昇を抑制
雨除け 雨水から開口部や外壁を保護
空間拡張 半屋外空間を創出し、生活領域を拡大
意匠性 建物外観のデザイン性を向上

素材と工法

主な素材
  • 金属(アルミ、ステンレス)
  • ガラス
  • 木材
取付方法
  • ブラケット固定
  • 支柱による支持
  • 吊り下げ式

設計上の配慮事項

構造強度 風圧や積雪荷重に対する耐力確保
排水処理 適切な勾配と雨水処理方法の検討
日照条件 季節による日差しの角度変化を考慮

注意点

設置時
  • 建築基準法の規制確認
  • 構造計算の実施
  • 防水処理の徹底
メンテナンス
  • 定期的な点検
  • 排水経路の清掃
  • 固定部分の緩み確認
安全性 強度不足による落下や破損に注意

庇は、建物の機能性と意匠性を高める重要な建築要素です。特に日本の気候条件下では、強い日差しや雨から建物を保護する役割が重要視されています。また、和風建築では庇下の空間が縁側として活用され、内外をつなぐ中間領域として重要な役割を果たしてきました。

ただし、庇の設置には建築基準法上の規制や構造強度の確保が必要です。特に突出しが大きい場合や、積雪地域での設置には十分な検討と適切な設計が求められます。また、経年劣化による強度低下や排水不良を防ぐため、定期的なメンテナンスも重要です。近年は省エネルギーの観点から、日射遮蔽効果の高い庇の設計も注目されています。

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