引渡し(ひきわたし)とは?

引渡しとは、不動産や動産の占有権を相手方に移転する法律行為です。売買契約や賃貸借契約において重要な要素となり、特に不動産取引では具体的な手続きや確認事項が多岐にわたります。

引渡しの基本概念

定義 物の占有権を相手方に移転する法律行為
法的性質 民法上の物権変動に関する重要な概念
対象 不動産(土地・建物)および動産

対抗要件としての位置づけ

動産の場合 引渡しが対抗要件となる
不動産の場合 登記が対抗要件となる(引渡しは譲渡事実の確認手段)

建物の引渡し

一般的な方法 鍵の引渡しによる占有移転
確認事項
  • 設備の稼働確認
  • 各種メーターの検針
  • 付属品の確認
必要書類
  • 引渡証明書
  • 設備の取扱説明書
  • 鍵引渡書

土地の引渡し形態

現況引渡し 現在の状態のままでの引渡し
更地引渡し 建物を解体し、整地した状態での引渡し
占有表示 引渡し後に境界標や看板等で占有を表示

更地引渡しの手順

建物解体 既存建物の解体工事実施
埋蔵物確認 地中の埋蔵物有無の確認
滅失登記 建物の滅失登記手続き

注意点

引渡し前
  • 物件状態の最終確認
  • 必要書類の準備
  • 費用負担の確認
引渡し時
  • 立会いによる現地確認
  • 書類の相互確認
  • 鍵の授受確認
引渡し後
  • 占有権の表示設置
  • 各種届出手続き
  • 公共料金の名義変更

引渡しは、不動産取引において重要な法律行為であり、特に建物や土地の引渡しでは、様々な手続きや確認事項が必要となります。動産の場合は引渡し自体が対抗要件となりますが、不動産の場合は登記が対抗要件となります。

土地の引渡しでは、現況引渡しか更地引渡しかによって必要な手続きが大きく異なります。特に更地引渡しの場合は、建物の解体や埋蔵物の確認など、追加的な作業が必要となります。また、引渡し後は、占有権を明確にするために境界標や看板などの設置が推奨されます。これらの手続きを確実に行うことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

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