無権代理人の責任(むけいだいりにんのせきにん)とは?

無権代理人の責任とは、代理権なく行われた取引について、本人が追認しない場合に、無権代理人自身が負うべき責任を指します。取引の安全と相手方保護のため、民法で定められた特別な責任です。

無権代理人の責任の基本情報

定義 無権代理行為が無効となった場合に無権代理人が負う責任
根拠法令 民法第117条
責任の性質 無過失責任(過失の有無を問わない)

責任の内容

履行責任 取引の履行を求められます
損害賠償責任 相手方の損害を賠償する必要があります
不法行為責任 民法第709条に基づく追及も可能です

責任追及の要件

本人の態度 本人が追認しないこと
代理権の不存在 正当な代理権の存在を立証できないこと
相手方の要件 善意無過失(代理権がないことを知らず、かつ過失がないこと)

注意点

責任の重さ 過失の有無に関わらず責任を負います
相手方の保護 善意無過失の相手方のみが保護されます
責任の選択 相手方は民法117条または709条のいずれかを選択できます

無権代理人の責任は、取引の安全と相手方保護のため、特に重い責任として設定されています。無権代理人は、自身に過失がなくても責任を負わなければならず、取引の履行または損害賠償を求められます。

一方で、相手方は善意無過失であることが要求され、代理権の不存在について知っていた場合や、不注意により知らなかった場合には、この責任を追及することはできません。不動産取引において代理権の確認は特に重要となります。

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