被補助人(ひほじょにん)とは?

被補助人とは、精神上の障害により判断能力が不十分な方に対して、家庭裁判所が補助人を選任する制度における本人のことです。2000年の民法改正で創設された制度で、軽度の判断能力低下に対応し、本人の自己決定権を最大限尊重しながら必要な支援を提供します。

制度の基本情報

定義 判断能力が不十分で補助人が選任された者
法的根拠 民法第15条(補助開始の審判)
制度創設 2000年(平成12年)民法改正

補助開始の要件

対象者 精神障害により判断能力が不十分な者
請求権者
  • 本人、配偶者
  • 四親等内の親族
  • 後見人、後見監督人
  • 保佐人、保佐監督人
  • 検察官

制度の特徴

基本原則 本人の自己決定権の尊重
行為能力 原則として制限なし
支援範囲 家庭裁判所が個別に決定

補助人の権限

同意権 特定の法律行為への同意権限
代理権 特定の法律行為の代理権限
権限範囲 家庭裁判所の審判で個別に定める

支援の対象となる行為例

財産関係
  • 不動産の売買
  • 重要な財産処分
契約関係
  • 賃貸借契約
  • 金銭借入れ

実務上の注意点

事前確認
  • 補助人の有無確認
  • 補助人の権限範囲確認
  • 同意・代理の要否確認
契約時
  • 補助人との事前協議
  • 必要書類の確認
  • 権限範囲内での対応

契約手続きの流れ

初期段階 補助人との連絡・協議
契約準備 必要書類の準備・確認
契約締結 権限に応じた適切な対応

被補助人制度は、判断能力の低下が比較的軽度な方を支援する制度として、きめ細かな対応が可能な仕組みとなっています。本人の判断能力を活かしながら、必要な範囲で補助人による支援を受けることができます。

実務上は、被補助人との取引に際して、補助人の権限範囲を適切に確認し、必要に応じて補助人との協議や同意取得を行うことが重要です。特に、家庭裁判所が定めた特定の法律行為については、補助人の同意や代理が必要となる場合があるため、事前に十分な確認と準備が必要です。また、本人の自己決定権を尊重しつつ、適切な支援が提供されるよう、慎重な対応が求められます。

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