売買予約(ばいばいよやく)とは?

売買予約は、将来の売買契約の成立を約束する契約で、不動産取引において重要な役割を果たします。予約完結権の行使により本契約が成立する特徴的な契約形態です。

売買予約の基本情報

定義 将来の売買契約成立を約束する契約
法的性質 私法上の契約
主な効果 予約完結権の発生

予約の種類

一方予約
  • 当事者の一方のみが予約完結権を持つ
  • 買主または売主のいずれかに権利がある
双方予約
  • 両当事者が予約完結権を持つ
  • 売主・買主双方に権利がある

予約完結権の特徴

性質 形成権(一方的な意思表示で法律関係を変動させる権利)
行使方法 権利者の意思表示により行使可能
効果 行使により本契約が自動的に成立

対抗要件

仮登記
  • 所有権移転請求権の仮登記が可能
  • 第三者への対抗要件となる
効果
  • 後順位権利者に優先
  • 二重売買のリスク軽減

予約の効力消滅

催告手続き
  • 予約完結権行使の催告
  • 相当期間内の確答要求
効力消滅
  • 確答がない場合に予約が失効
  • 催告者の意思表示が必要

注意点

期間制限 予約完結権の行使期限を定めることが望ましい
条件設定 予約完結権行使の条件を明確にする必要がある
仮登記手続 対抗要件としての仮登記は速やかに行うべき
予約金 予約金の性質と取扱いを明確にする必要がある

実務上の留意事項

予約書の作成
  • 予約内容の明確な記載
  • 予約完結権の内容明示
  • 期間や条件の明記
本契約との関係
  • 本契約の内容の特定
  • 予約から本契約への移行手続
  • 予約金の取扱い

売買予約は、将来の不動産取引を確実にするための重要な法的手段です。特に、仮登記による第三者への対抗要件を備えることで、取引の安全性を高めることができます。

実務においては、予約完結権の行使期限や条件、予約金の取扱いなどを明確にし、後のトラブルを防止することが重要です。また、仮登記を活用することで、予約者の権利を適切に保護することができます。

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