管理規約(かんりきやく)とは?

管理規約とは、区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)に基づいて定められる規約で、マンションなどの区分所有建物における所有者間の権利や義務、共用部分の管理方法などを定めるものです。マンションの円滑な管理運営と区分所有者の共同の利益を確保するための重要な取り決めです。

管理規約の基本情報

法的根拠 区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)
主な目的 建物、敷地、附属施設の管理・使用に関する事項の規定
設定方法 区分所有者の集会における特別決議

管理規約の主な内容

  • 敷地、建物、付属施設の範囲
  • 共用部分の範囲
  • 共有持分の割合
  • 専用使用権の範囲
  • 敷地利用権と専有部分の分離処分の可否
  • 使用細則の設定
  • 集会、管理組合、理事会、会計等に関する事項

管理規約の設定・変更・廃止

決議要件 区分所有者の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上の特別決議
原則 区分所有者間の利害の衡平を図る
制限 区分所有者以外の者の権利を害することはできない

マンション標準管理規約

公表元 国土交通省
目的 管理規約作成の参考として提供
種類 単棟型、団地型、複合用途型

管理規約の重要性

共同生活の基盤 区分所有者間のルールを明確化し、トラブルを防止
資産価値の維持 適切な管理運営により、建物の資産価値を維持
権利義務の明確化 各区分所有者の権利と義務を明確に規定
長期修繕計画の基礎 建物の長期的な維持管理の基礎となる

管理規約作成・改正のプロセス

  1. 原案の作成(理事会や管理規約改正委員会で検討)
  2. 区分所有者への説明会の開催
  3. 意見収集と原案の修正
  4. 総会での審議と特別決議
  5. 新管理規約の施行

管理規約に関する注意点

法令遵守 区分所有法や関連法令に違反する内容は無効
公平性 特定の区分所有者を不当に差別する規定は避ける
柔軟性 社会情勢の変化に応じて適宜見直しが必要
専門家の助言 複雑な法的問題は専門家に相談することが望ましい

管理規約は、マンションの適切な管理運営と区分所有者の共同の利益を確保するための重要な取り決めです。各マンションの特性や居住者のニーズに合わせて作成・改正することが重要です。

また、管理規約は単に作成するだけでなく、区分所有者全員が内容を理解し、遵守することが大切です。定期的な見直しを行い、社会情勢の変化や建物の経年変化に応じて適切に改正していくことで、マンションの価値を長期的に維持し、快適な居住環境を確保することができます。管理規約の作成や改正に際しては、マンション管理士や弁護士などの専門家のアドバイスを受けることも検討するとよいでしょう。

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