遺留分(いりゅうぶん)とは?

遺留分とは、相続において、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人に対して法律で保障される最低限の相続財産の割合を指します。この制度は、相続人の生活保障や潜在的持分の顕在化などの目的で設けられています。

遺留分の基本概念

定義 相続人に法律で保障される最低限の相続財産の割合
対象者 被相続人の兄弟姉妹以外の相続人
目的 相続人の生活保障、潜在的持分の顕在化

遺留分の割合

直系尊属のみが相続人の場合 遺産の3分の1
それ以外の場合 遺産の2分の1(全体で)

遺留分の計算対象

  • 相続開始時の相続財産
  • 相続開始前1年以内に贈与された財産
  • 相続させる旨の遺言によって相続人に与えられた財産

遺留分制度の意義

生活保障 相続人の基本的な生活を保障する
潜在的持分の顕在化 被相続人名義の財産に含まれる相続人の潜在的持分を認める
相続の公平性 相続における最低限の公平性を確保する

遺留分と遺言の関係

遺言の自由との調和 被相続人の財産処分の自由と相続人の権利保護のバランスを取る
遺留分減殺請求 遺留分を侵害する遺言や贈与に対して、相続人が請求できる権利
遺留分の放棄 相続人は家庭裁判所の許可を得て遺留分を放棄することが可能

遺留分に関する注意点

請求期限 遺留分減殺請求権は、相続開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年以内に行使する必要がある
相続税との関係 遺留分減殺請求により相続財産が変動した場合、相続税の申告内容に影響を与える可能性がある
遺産分割との関係 遺留分減殺請求は遺産分割協議とは別個の権利であり、遺産分割協議が成立していても行使できる

遺留分制度の最近の動向

法改正の傾向 遺言の自由度を高める方向での改正が検討されている
国際的な比較 諸外国と比較して日本の遺留分制度は厳格とされ、見直しの議論がある
社会の変化への対応 家族形態の多様化や高齢化社会に対応した制度の在り方が議論されている

遺留分制度は、相続における重要な法的概念です。この制度は相続人の権利を保護する一方で、被相続人の財産処分の自由とのバランスを取る役割を果たしています。遺言を作成する際や相続手続きを進める上で、遺留分の存在を認識し、適切に対応することが重要です。

特に、遺留分を侵害するような遺言や生前贈与を行う場合は、将来的な紛争のリスクを考慮する必要があります。また、相続人の立場からは、自身の遺留分が侵害されていないか確認し、必要に応じて遺留分減殺請求を検討することが大切です。遺留分に関する問題は複雑な場合が多いため、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

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