囲障の設置(いしょうのせっち)とは?

囲障の設置とは、所有者の異なる2つの建物の間に空地がある場合、その境界に塀や柵などの通行を妨げる構築物(囲障)を設置することができるという権利を指します。これは民法の相隣関係の一つとして認められており、「囲障設置権」とも呼ばれます。

囲障設置の基本情報

定義 隣接する土地の境界に塀や柵などを設置する権利
法的根拠 民法第222条(相隣関係)
目的 プライバシーの保護、境界の明確化、防犯対策など

囲障の種類

コンクリート塀、ブロック塀、レンガ塀など
金属フェンス、木製フェンス、生垣など
その他 門、壁、へいなど

囲障設置の費用負担

原則 相隣者が等しい割合で負担
例外 当事者間の合意がある場合は、その合意に従う
特別の利益がある場合 利益の程度に応じて負担割合を増加させることがある

囲障設置の手順

  • 隣地所有者との協議・合意形成
  • 設置する囲障の種類、高さ、材質の決定
  • 費用の見積もりと負担割合の決定
  • 必要に応じて建築確認申請の実施
  • 工事の実施
  • 完了後の検査と費用精算

囲障設置に関する注意点

境界の確認 設置前に正確な境界位置を確認することが重要
高さ制限 地域の建築規制や条例で高さ制限がある場合がある
日照・通風への配慮 隣地の日照や通風を著しく妨げないよう配慮が必要
維持管理 設置後の維持管理責任と費用負担について事前に合意しておく

囲障設置のメリット・デメリット

メリット
  • プライバシーの確保
  • 防犯効果の向上
  • 境界の明確化
  • 外部からの騒音軽減
デメリット
  • 設置・維持にコストがかかる
  • 隣人との関係悪化のリスク
  • 景観への影響
  • 日照・通風の妨げになる可能性

囲障設置をめぐる紛争と対策

  • 事前の十分な協議と合意形成が重要
  • 必要に応じて専門家(弁護士、土地家屋調査士など)に相談
  • 地域の慣習や近隣関係にも配慮
  • 書面による合意書の作成を検討

囲障の設置は、プライバシーの保護や境界の明確化など、様々な目的で行われますが、隣地との関係に直接影響する重要な事項です。設置を検討する際は、法律や地域の規制を遵守するとともに、隣地所有者との十分な協議と合意形成が不可欠です。

また、設置後の維持管理についても事前に取り決めを行い、将来的なトラブルを防ぐことが重要です。不動産取引や管理において、囲障の存在や状態は物件の価値にも影響を与える可能性があるため、適切な対応が求められます。特に集合住宅や密集市街地では、囲障の設置や管理が近隣関係に大きく影響することを認識し、慎重に対応することが望ましいでしょう。

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