保証債務(ほしょうさいむ)とは?

保証債務とは、主たる債務者の債務を別の者(保証人)が保証する際に生じる債務のことを指します。

これは、債権者の利益を保護し、債権回収の確実性を高めるために用いられる重要な法的概念です。

保証債務の基本構造

例:AがBから借金し、Cが保証人になる場合

A 主債務者
B 債権者
C 保証人
AB間の債務 主債務
BC間の債務 保証債務

保証債務の定義

保証債務とは、「主債務者Aが債務を履行しない場合に、保証人CがAの代わりに債務を履行するという保証人Cの債務」です(民法446条)。

保証債務の主な特徴

補充性
  • 債務履行の責任は主に主債務者にあり、保証人は補充的に債務を履行します。
  • 例外:連帯保証には補充性がありません。
附従性(ふじゅうせい)
  • 主債務が消滅すれば、保証債務も消滅します(民法第448条)。
  • 保証人は主債務の消滅などの理由を債権者に主張できます(附従性にもとづく抗弁権)。
補充性にもとづく抗弁権
  • 催告の抗弁権(民法452条):債権者に対し、まず主債務者に請求するよう求める権利
  • 検索の抗弁権(民法第453条):主債務者に弁済の資力があることを主張する権利
保証人の求償権
  • 保証人が主債務者に代わって債務を弁済した場合、その金額を主債務者に請求できる権利(民法第459条)
  • 弁済前後の通知義務:二重弁済を避けるため(民法第463条、第443条)

保証債務に関する注意点

連帯保証 保証人の責任を大幅に強化した形態で、実務ではこちらが多く用いられます。
時効と保証 債権の消滅時効と保証の関係については、時効の援用や時効利益の放棄に関する規定があります。
保証契約の慎重な検討 保証人となる際は、主債務者の返済能力や自身のリスクを十分に検討する必要があります。
法改正への注意 保証に関する法律は改正されることがあるため、最新の法律を確認することが重要です。

保証債務は、信用を補完し、取引の安全性を高める重要な役割を果たしています。しかし、保証人にとっては大きなリスクを伴う可能性もあるため、保証契約を結ぶ際は慎重な判断が求められます。

また、債権者や主債務者も保証債務の性質を十分に理解し、適切に対応することが重要です。

特に不動産取引や金融取引などでは、保証債務が重要な役割を果たすことが多いため、関係者全員がその意味と影響を理解しておく必要があります。

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